民泊「上乗せ条例」エリア一覧!「民泊新法」下で進む投資と撤退

【2018年6月1日時点】民泊「上乗せ条例」の全国エリア一覧を掲載。

2018年6月15日、民泊新法が施行。無法状況で乱立していた民泊投資物件の撤退が始まります。
民泊新法の営業日数制限は年間180日。それに追い打ちをかけるように、地方自治体が次々と各エリアに民泊の上乗せ条例を発表。

民泊の投資家は今後どのような行動を取るべきなのか?東京都心、京都、大阪、地方エリアの民泊の現状や今後は?

激増中の海外からの訪問者。政府の更なる訪日者倍増推進。それを踏まえ、長期的な民泊の物件投資について、各エリアを独自の視点で解説します。

民泊「上乗せ条例」エリア一覧

民泊のビジネスに関しては、民泊新法の年間180日までの営業日数制限が前提条件。それに加わるのが、各自治体が可決した独自の民泊の宿泊日数に関する「上乗せ条例」です。

*上乗せ条例の詳細や最新情報は各自治体にお問い合わせください。

東京23区の民泊「上乗せ条例」

エリア 上乗せ条例
千代田区 家主不在型は営業不可
台東区 家主不在型は平日営業不可
中央区
江東区
荒川区
目黒区
中野区
品川区
全エリアで平日営業不可
(品川区は一部地域の例外あり)
台東区
板橋区
杉並区
家主不在型は住宅専用地域での平日営業不可
渋谷区
港区
住宅専用地域・文教地区では平日営業不可
大田区 住宅専用地域・工業地域・工業専用地域・文京地区・特別業務地区では営業不可
足立区 住宅専用地域では営業不可
世田谷区 住宅専用地域での年間営業可能日数:106日
新宿区
世田谷区
杉並区
練馬区
住宅専用地域での年間営業可能日数:156日
文京区 住宅専用地域・準工業地帯・文教地区では長期休暇期間以外は営業不可
品川区 商業地域・第一種文教地区以外では平日営業不可

*北区、豊島区、葛飾区、江戸川区、隅田区は規制なし。ただし、墨田区での民泊は、トラブル発生時に原則30分以内に駆け付け必須。

道府県エリア(東京以外)の民泊「上乗せ条例」

エリア 上乗せ条例
北海道 住居専用地域で平日営業不可・年間営業可能日数:60日
札幌市 住居専用地域・学校周辺で平日営業不可
岩手県 一部エリアで平日営業不可
仙台市 住居専用地域での営業可能日:土曜日のみ
福島県 一部エリアで営業不可
群馬県 学校周辺他で営業不可
神奈川県 箱根町別荘地の一部で民泊の営業不可
横浜市 低層住宅専用地域での年間営業可能日数:156日
金沢市 住居専用地域・第一種住居地域・工業地域では平日営業不可
長野県 一部エリアで平日営業不可
軽井沢町 全エリアで平日営業不可
静岡県 一部エリアで営業不可
名古屋市 住居専用地域で平日営業不可
滋賀県 草津市の一部で平日営業不可
京都市 全住宅専用地域での年間営業可能日数:冬季のみ60日
大阪市 住居専用地域(隣接道路幅4m以上は除外)と学校周辺で営業不可
堺市 家主不在型は住宅専用地域での平日営業不可
奈良市 住居専用地域・学校周辺・歴史的風土保存地区で平日営業不可
神戸市
尼崎市
住居専用地域・学校周辺では営業不可
西宮市 住居専用地域と周辺100m以内では営業不可

「民泊新法」施行で各エリアの「上乗せ条例」が加わるとどうなる?

年間営業日数を180日と制限する民泊新法。更に上乗せ条約があるエリアでは、民泊ビジネスがかなり制限されることになります。

そんな状況下で民泊ビジネスがやっていけるのでしょうか?

まず、知っておきたいのは市場規模。どのくらい需要があるかです。その内のインバウンド市場、海外から日本への訪問者数を見てみましょう。


(出典:国連広報センター)

海外からの訪日者数は1995年から2012年にかけて、300万人から840万人と毎年6%の増加。更に驚くべきは、2017年には2,870万人と激増して、2012年から2017年にかけて、なんと250%も急増。更に政府は、倍増を推進しています。

オリンピックを控え、ホテルや旅館の部屋数が増えるにしても、民泊新法により、グレーや違法の民泊物件は撤退。そうなると、真っ当な民泊物件の投資家にとっては、かなりビジネスチャンスが広がると予想されます。

では、各エリアについて見てみましょう。

東京都心・大阪エリアの民泊は簡易宿所で

東京都心エリアの民泊需要は、通年あります。しかし、地価が高い上、競合が多いため宿泊費競争もあり、利益を確保するには民泊新法下の180日営業ではかなり厳しい状況です。

更に、上乗せ条例により、人気の中央区、江東区、荒川区、目黒区では区内全域で平日の民泊不可。千代田区は、家主不在型の平日民泊は不可。民泊特区となっていた大田区も住居専用地域他の民泊を全期間禁止した他、ほとんどの23区が上乗せ条例を施行しています。

そんな中、全く民泊規制のない北区、豊島区、葛飾区、江戸川区もあります。ですが、上乗せ条例が厳しい方向で次々と施行されている状況を見ると、今後上乗せ条例が施行される可能性が拭えません。

大阪市も一年を通じて民泊の需要があり、民泊特区にもなっている希少なエリア。ですが、グレーなものを含めた民泊物件が乱立したこともあり、住居専用地域と学校周辺で営業不可という上乗せ条例を施行。それを後押しするように、不利益を被る宿泊業関係者や平穏を脅かされた住民などが、2018年5月に三千人規模の反民泊デモを実施しました。大阪市の上乗せ条例の施行は2度目。ですので、更なる条例が上乗せされるかどうか、今後の行方が注目されています。

そのような状況から、東京23区、大阪市で民泊ビジネスをするならば、将来的に上乗せ条例が適応されなさそうなエリアの物件に投資をして簡易宿所の許可を取りつけ、通年営業をするのが短期的にも長期的にも一番の投資と言えます。

ちなみに、京都市は現在、駅近ホテルのオープンラッシュで民泊の需要が下がり気味。更に、全住宅専用地域での年間営業可能日数が、オフシーズンの冬季60日のみという上乗せ条例が施行。ゆえに、京都市での民泊ビジネスは厳しい状況下におかれていて、今後の参入はかなり難しい状況です。

リゾートエリアなら「民泊新法」でもあり

軽井沢、箱根といった高級別荘地では、民泊の上乗せ条例が施行されています。ですが、上乗せ条例があるリゾートエリアは、現在のところ少ないのが現状です。

民泊の年間営業日数が180日でも影響を受けないのが、ある季節のみに集中して利用者のあるリゾートエリア。元々、民泊の通年利用を期待していないエリアです。

例えば、海辺のリゾートで、初夏から秋の初めまでしか民泊需要がなく、夏のピークに高い宿泊費を設定して稼ぐタイプの民泊投資物件。

このようなタイプの民泊投資物件を好条件で手にいれることができれば、「民泊新法」下でも利益が見込めます。

もともと民泊に季節性があって通年の稼働がなかった北海道なども同様です。ただし、北海道の場合は上乗せ条例があり、住宅専用地域は平日の民泊営業は不可で、年間営業可能日数は60日です。

民泊のチャンスは地価の安い地方エリアに

現在、民泊需要は地方にまで広がっています。都心と比べて宿泊料金が地価ほど大差がない現在、地価の高い都心部よりも、格安な地方の方が、民泊のビジネスチャンスはあると言えるでしょう。

好物件を手に入れれば、「民泊新法」の180日年間営業日数制限があっても、利益が確保されやすくなります。

ただ、その場合でも通年で民泊需要があるエリアでは、簡易宿所の許可を取れる民泊物件に投資するほうが賢い選択です。

まとめ

  • 東京23区、大阪市、京都市、北海道、稼働率が50%あるエリアなどでは、簡易宿所の許可を取れる物件に投資をして通年営業することをおすすめ。
  • 特定時期のみに稼働が集中して、高料金設定ができれば、「民泊新法」下でもアリ。
  • 地価が安い地方エリアでは、「民泊新法」下でも利益確保はしやすい。

長期的な民泊ビジネスを考えているならば、どのエリアであっても、簡易宿所の許可が取れて将来的にも上乗せ条約が適応されなさそうな民泊物件に投資をすることをおすすめします。

そうすれば、今後ますます厳しくなると予想される、民泊新法や上乗せ条例の変更や新条例をハラハラしながら気にする必要が軽減され、長期的でより安定した利益確保が期待できます。

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名前:山内祐太郎
1985年生まれ福岡県出身

保有資格
宅地建物取引士
ファイナンシャルプランナー2級
インテリアコーディネーター

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